新刊『流水りんこのインド占星術は深いぞ〜!』読んでみました

最終更新: 2023年10月7日

こんにちは、アキュバルです。

清水俊介先生が取材を受けていたということで、実は一ヶ月以上前から発売を楽しみにしていたこちらのコミック。

先週発売となりましたので、さっそく読んでみました。

流水りんこさんの著作は読んだことなかったんですけど、渡印歴30年以上ということで、かなりインドに造詣が深いことがうかがえます。旦那さんもインド人だし。

ー漫画家になって35年、もっとも苦労し、そしてお金がかかった1冊ー

という触れ込みなのですが、何より絵にするのが大変だっただろうなぁと思いますね。後半のパートは座って話を聞いている場面がほとんどなので。

内容ですが、テクニックに深く首を突っ込むことなく、あくまで素人の目線でインド占星術に接しているので、素直に面白かったですね。この本ではじめてインド占星術に触れるという方にはその「驚き」がダイレクトに伝わるんじゃないかと思います。

そして、何よりラオ先生が最後に登場するということ。

「これはラオ先生にまだ会ったことがない」という僕のような多くの学習者たちにとっては重要で、流水先生の筆力もあり、本当にラオ先生と対話しているような感覚を味わえます。

「泥の中に咲く蓮の花(ロータス)であれ」

個人的に印象的だったのは、流水先生の「占星術という学問は、この先世の中でどのような役割を担っていくのでしょうか?」という問いかけに対して、「何もない」と答える場面。

ほとんど身命を賭けて超科学(スーパー・サイエンス)であるインド占星術を守り抜いてきた本人が「役割など何もない」と言うのは、正直「えっ?」と驚かされます。

ひとつ思ったのは、ラオ先生は「対機説法」の人なのだろうということ。その人の能力や境地、状況などを鑑みて、相手にふさわしい言葉で教えを説く方だと思うんです。だから、人と所が違えば、また違った言葉が返ってくるのでしょうね。

あとはやはりシンプルに、ラオ先生の絶望がそれだけ深いのだろうと思います。その落胆の深さは僕には想像するよりほかありませんが、しかし、ラオ先生は最後にこうも語ります。

「だが、心配はいらないさ」

「泥の中に咲く蓮の花(ロータス)であれ」

あまり詳細に書くとネタバレになってしまうのでこのへんでやめておきますが、この言葉は読後感を本当に爽やかなものにしてくれました。

『流水りんこのインド占星術は深いぞ〜!』、インド占星術にはじめて触れる人にも、インド占星術をいま学んでいる人にもオススメの一冊です。漫画を通してラオ先生の珠玉の言葉の数々に触れてみてはいかがでしょうか?

流水りんこのインド占星術は深いぞ~!

著:流水 りんこ

オール描き下ろし新作! “不幸の星の元に生まれる”は本当にある!? 賢い星占いとの付き合い方を徹底取材。

発売日2018/08/10判型A5

ISBN978-4-391-15098-8

定価本体価格 1000円 +税(定価)

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