共通する特徴を探し出せ!ホロスコープ10番勝負~映像作家編~

中級者向け記事です。
前回の記事「月とラーフが織りなす光の魔術・・・映像作家のコンビネーション」では、映写の仕組みと惑星の生来的な性質を紐解き、
「10室に月とラーフが絡む」
ことが映像作家の条件のひとつなのではないかと推測しました。
そこで今回はこの仮説を検証するために、恒例となった「ホロスコープ10番勝負」に挑んでみたいと思います。
この「10番勝負」は「検証には最低でも25のホロスコープを用いなさい」というラオ先生の方針に則り、テーマを設定してできるだけ多くのホロスコープで共通点を見出そうというもの。
長くなるのでこのブログでは25は紹介しませんが、ひとまず10のホロスコープで検証を行っています。
映像作家のパラメータ(仮説)
では、実際に映像業界に関わる人のホロスコープを紹介していこうと思います。
今回の検証にあたって僕が設定したパラメータは次の通り。
① 10室(仕事)に月とラーフが絡む(ナクシャトラレベルの絡み、ディグリーコンジャンクション※1を含む)
② 3室(表現・才能)にラーフが絡む
③ 土星が1室(ラグナ)に絡む。なおかつ、D1 or D9において土星が強い(定座・ヴァルゴッタマ以上)か、強い惑星と絡む
①は僕が設定した条件ですが、実は②と③のパラメータに関しては、以前レッスンの感想を寄せてくれた生徒のRさんのアイディアを参考にしています。
以下10人のホロスコープを紹介しますが、前半5人は著名な映画監督のホロスコープ、後半5人は映像制作に関わる一般人のホロスコープとなっています。
また、ラーフは性質上ディスポジターも参照します。
※ディスポジターの解説はこちら
①チャーリー・チャップリン

① 10HをMoが支配しており、MoはRaのナクシャトラ(スヴァーティ)にある
② 3LはRaにアスペクト
③ Saは1Lにアスペクトし、D9において定座にある
② ウディ・アレン

① × Raは10Lのナクシャトラにあるが、10HとMoは絡んでいない
(ただし、10LとMoの度数差は1°12'で非常に近く、D9では成立している)
② Raは3Lのナクシャトラ(P.アシャーダ)にある
③ 1HにムーラトリコーナのSaがアスペクト
③ ケネス・ブラナー

① 10LがMoとRaにアスペクト
②3HにRa
③ 1HにSaがアスペクト。Saはディグバリ※2かつ定座のJuとコンジャンクト
④ ローレンス・オリヴィエ

① 10HにMoがアスペクトし、10LとRaがディグリーコンジャンクト
②3HにRa
③ 1HにSaがアスペクト。SaはD9において定座のJuにアスペクトされている
⑤ ロマン・ポランスキー

① 10HにMoがあり、RaのディスポジターであるSaは10Lと相互アスペクト
② Raは3Lのナクシャトラ(ダニシター)にある
③ 1Lに定座のSaがアスペクト
⑥ 映像制作(デザイナー)

① 10HにMoがアスペクトし、10LはRaのナクシャトラ(シャタビシャー)にある
② 3LがRaにアスペクト
③ 1LはSaと星座交換している。Saは星座交換しているため強い
⑦ 映像クリエイター

① 10HにMoがアスペクトし、Raは10Lのナクシャトラ(ムリガシラー)にある
② RaのディスポジターであるMeは3Lであり、3Hにアスペクト
③ 1Lは高揚するSaとコンジャンクト
⑧ 映像作家

① 10LはMoであり、Raのナクシャトラ(アールドラー)にある
② RaのディスポジターであるMaは3Hにある
③ 1LにSaがアスペクト。SaはD9で高揚
⑨ アーティスト(インスタレーション・映像作品制作)

① 10HにMoがあり、10HのJuはRaのナクシャトラ(スヴァーティ)にある
② 3LはRaのナクシャトラ(スヴァーティ)にある
③ 1LがSaであり、D9において定座のMaにアスペクトされている
⑩ 映像制作(企業PV)

① 10HにRaがあり、10LはMoにアスペクト
② 3LはRaにアスペクト
③ 1LがヴァルゴッタマのSa
映画監督の最大の仕事は「待つ」こと?

というわけで、著名人・一般人合わせて10のホロスコープで検証してみました。
ほぼ全てのホロスコープに当てはまっているとはいえ、たかだか10人なので母数がもっと多くなればどうなるかわかりませんが・・・。
また、映像業界ということでいえば映画俳優にもこの仮説が当てはまるか?という疑問も出てきます。こちらは追って研究していきたいですね。
生徒のRさんが提示してきた②と③の条件のうち、②は比較的わかりやすいと思いますが、③(土星が強く、1室に絡む)に関してはなかなか面白い視点だなと思います。
土星の象意には構築力、設計力などがあり、アイディアを具現化する能力に深く関わっていると思われます。
また土星のもたらす「遅延」という意味合いにおいて僕が想起するのは、映画撮影の現場の「待ち時間」の長さについてです。
そもそも映画は撮影期間が長く、撮影前の準備を含めると1年以上におよぶ場合もあります。
また、エキストラなどを経験した方はわかると思いますが、映画撮影の現場ではカメラの画角や役者の立ち位置のセッティングのみならず、天候や通行人など、理想的なロケーションの状況が整うまでに多くの時間を「待ち」に費やします。
プロの撮影の現場では全て待つのが基本。
「映画俳優の仕事は待つことだ」ともよく言われます。
そうした環境に耐えられる強さを土星がもたらしているのだとすれば、これも映画業界には必須の条件になるのかもしれません。
もちろん個人で請け負っている映像制作は環境が違うと思いますが、ホロスコープを見る限り共通する要素は多そうです。
というわけで、映像分野の方のホロスコープを見る場合の参考にしていただければ幸いです。
また、今回あえて取り上げませんでしたが、金星の強さや5室(教育)と10室(仕事)のコンビネーションに着目しても面白いでしょうね。
では、また次回の「10番勝負」でお会いしましょう!
※1 ある惑星と別の惑星が経度1°以内にある場合に成立する。直接絡んでいればその影響が強くなり、直接絡みがなくても、お互いに影響を与えるとされる。
※2 「方角の強さ」と呼ばれるもので、惑星ごとに方角の強さを得るハウスが設定されている。土星は7室でディグバリが最高となる。
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