【ジェイミニ占星術】星座の三分類法
チェコ共和国、プラハの天文時計(1410年)
前回の記事「【ジェイミニ占星術】パダの計算法」では、ジェイミニ占星術のパダの計算法を取り上げました。
これまではパラシャラ方式のインド占星術をメインに紹介していましたが、これを機会に少しずつジェイミニ方式についても紹介していきたいと思ってます。
さて今回は、ジェイミニ占星術を学習する上でベースとなる星座の三分類法について解説します。
星座の三分類法がなぜ重要なのか?
Ⅰ. 二区分(陰陽)
Ⅱ. 三区分(活動・不動・柔軟)←今ココ(´・_・`)
Ⅲ. 四区分(火地風水)
星座の分類法については、過去の記事「星座と【五大元素】のヒミツ」で少し触れました。
四区分についてはすでに解説しましたが、特にジャイミニ占星術において重要になるのはⅡの三区分(活動・不動・柔軟)。
なぜなら、ジェイミニ占星術のアスペクトはこの三区分を知らなければ理解できないからです。
惑星のアスペクトについては、すでに「インド占星術のアスペクト・ルール」で解説しました。実はここで解説したのは、一般的に普及しているパラシャラ方式のアスペクト・ルール。
ジェイミニ占星術においては、惑星のアスペクトにも全く違ったルールが適用されることになります。
ジェイミニ・アスペクトについての解説は次回に譲るとして、ここではひとまず三区分について詳細に見てみましょう。
活動星座(Movable Sign)
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座
活動的な性質。動きのある、変化のある活動に適している。プラシュナでは「肯定」を意味する(占う事柄にもよる)。
不動星座(Fixed Sign)
牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座
固着的な性質。大きな変化が望ましくない、持続的な活動に適している。プラシュナでは「否定」を意味する。
柔軟星座(Mutable Sign)
双子座、乙女座、射手座、魚座
活動と柔軟の中間的な性質。または、惑星がどちらの星座の境界に近いかで性質が決まる。
ざっくり解説するとこんな感じです。以上の分類をホロスコープ上で可視化したものがこちら。
よく見ると、「活動・不動・柔軟、活動・不動・柔軟・・・」というように、三分類が決まった順序でループしていることがわかりますね。
四隅が柔軟星座になっているのも特徴。
そんなに難しい配置ではないと思うので、さくっと覚えちゃってください。
で、この星座の三分類法ですが、意外と色々な場面に登場します。
はっきり言って、獅子座だから王様とか、魚座だから霊感があるとか、そういった固有のイメージよりもはるかに重要だといってよいでしょう。
ジャイミニ占星術のアスペクトはもちろん、ダシャーを読み解くときや、プラシュナ※でシンプルに吉凶を判断する場合、そしてホロスコープからその人の特徴や傾向を読み取る(静的分析)にもある程度活用できると思います。
たとえばわかりやすいのは、こんな方。
「【対面鑑定】蛇の領域「サルパ・ドレッカナ」は何をもたらすのか?」で紹介したマハトマ・ガンジーさん。
ガンジーさんのホロスコープを三分類法で在住惑星(ラーフ・ケートゥ除く)を数えると、
活動:5(ラグナ含めれば6)
不動:1
柔軟:1
となり、圧倒的に活動星座が強いことがわかります。
こういう人は生涯、とにかく変化を求めて活動していく人。
ガンジーのエピソードについては過去の記事でも少し紹介しましたが、とにかく「変化・変革」を求めてインド独立運動の先頭に立ち、閃光のように走り抜けた生涯でした。
4室に注目してみると、凶星のケートゥが在住し、さらに二大凶星である火星と土星のアスペクトを受けて傷ついています。
4室が深く傷ついている人は、故郷に安住しない人。そして、多くの「聖者」と呼ばれる人たちに見られる共通点のひとつです。
ガンジーは故郷であるインドのグジャラート州を離れて南アフリカの地でインド系移民の権利回復運動に目覚め、その後は運動を通じて数年間投獄されたりしています。
まさに安穏とした住まい、生活とは縁遠い人生であったといえるでしょう。
それを読み解く鍵になるのは、4室の傷、そして活動星座の強さです。
これは一例に過ぎませんが、ぜひホロスコープを読み解くときには、星座の三区分にも注目してみてください!
※プラシュナ・・・疑問、質問の発生した時間・場所でホロスコープを作成し、吉凶を占う技法。ホラリーとも呼ばれる。