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忠誠心のあるホロスコープとは?




僕自身、最近特に大事だなと思っていることがあります。


「子曰、必也正名乎」(子の曰わく、必ずや名を正さんか)


これは弟子の子路に「政治を為すなら、先生はまず何を第一にしますか」と問われた孔子が返した言葉で、非常に有名な一節です。

つまり、物事を正しく成すならまず「言葉の定義を明らかにせよ」ということですね。


意外とこれは重要なことで、たとえば「先生のホロスコープ」を分析したいのなら「先生」の定義を明らかにしなければなりません。大学の先生と幼稚園の先生と習い事の先生は、それぞれ求められる職能がまるで違うはずです。

こういう部分をはっきりさせずにどんどん分析を先に進めてしまうと、色々な問題が起こってしまうでしょう。



ところで僕のクラスではLINEグループで質問を受け付けているのですが、先日生徒さんから次のような質問を受けました。それは


「火星の象意の中に忠誠心は含まれますか?」


というもの。なかなか火星のイメージを良く捉えた質問だと思います。

火星は「識別力」「攻撃性」をあらわす惑星であり、職分でいえば「軍事」を象徴する惑星です。

そう考えると「あるのだろう」と推測できますが、僕はここで生徒さんに

「あなたの考える忠誠心のある態度とはどんな態度のことですか?また、何に対して忠誠心ですか?」

と尋ねました。

質問に回答する前に「忠誠心」の定義をはっきりさせておこうと考えたからです。



身を賭して主君に諫言できるのが「忠臣」


ちなみに、僕の考える「忠誠心」とは次のようなものです。


・主君の意向を尊重できること

・精神性や価値観を重んじること

・いざという時には主君に諫言できるだけの勇気と実行力を備えていること


つまり、単なる「イエスマン」が忠臣ではないということですね。

これは、なんとなく皆さんにも共感してもらえる部分だと思います。


そういう観点からいうと、僕が個人的に「忠誠心の鑑」だと思える人物は次に紹介するロンメル将軍です。



エルヴィン・ロンメルは第二次世界大戦において活躍したドイツ国防軍の将軍で、連合国から「ナポレオン以来の戦術家」とまで称えられた名将です。

「砂漠の狐」の異名を持ち、広大な砂漠に展開された北アフリカ戦線において、圧倒的優勢なイギリス軍をたびたび壊滅させるなどの戦果を挙げましたが、何より騎士道精神の持ち主として敵味方問わず尊敬を集めていました。




手塚治虫『アドルフに告ぐ (4)』 (文春文庫)


ちなみに僕がこのロンメル将軍を知ったのは、実は幼少期に読んだ手塚治虫の漫画『アドルフに告ぐ』です。作中においてもロンメル将軍は国内外から慕われる理想的な軍人として描かれていたのをよく覚えています。



ロンメル将軍のホロスコープ




こちらがロンメル将軍のホロスコープ。

彼自身の有名なエピソードとホロスコープの対応を検証してみましょう。


・稀代の戦術家。時にヒトラーの命令を無視して進軍したが、抜群の武功を挙げた。

→10室(職務)に軍事の火星が在住。火星と土星のコンビネーションは強引な手腕をあらわす。6室のラーフも闘争に向いている配置。


・読書にも運動にも興味がなく病気がちな子どもだったが、10代になると突然活発になった。数学の成績が良くなり、スポーツにも関心を持つようになった。

→1903年(11歳)で太陽期から月期へ。太陽は12室(病院)に在住してケートゥとコンジャンクトしているが、月は5室(学業)に在住し、10室の火星から非常に近い度数でアスペクトを受けている。


・交戦の国際条約を遵守して敵国の捕虜を丁重に取り扱った。また、ある戦いでユダヤ人部隊を捕虜にした際、ベルリンの司令部から全員を虐殺せよとの命令が下ったが、ロンメルはその命令書を焼き捨てた。

→5室(マインド)に慈悲心をあらわす月が在住。9室(道徳)に無傷の木星がアスペクト。9室を支配する太陽は12室でケートゥとコンジャクト。5室・9室・12室のクオリティが良く、高潔な精神性をあらわす。


・その進軍スピードの速さから連合国はロンメルの軍隊を「いつの間にか防衛線をすり抜けている」という意味で「幽霊師団」と呼んだ。

→3室の支配星が火星とコンジャクト。3室と火星のコンビネーションは時に行動の迅速さ、スピード狂とも言える性質をもたらす。


・第二次世界大戦において、フランスおよび北アフリカ戦線で驚異的な戦果を挙げた。

→10室と12室が星座交換。12室自体も惑星集中しており強い。外国への遠征と勝利。



など、さまざまなエピソードとホロスコープの対応が見られます。





今回のテーマである「忠誠心」の観点でいうと、もともとロンメルはヒトラーを英雄視して忠誠を誓い、その庇護のもと長く活躍しました。しかしヒトラーの無謀な軍略を諫めたことがきっかけで次第に疎まれるようになっていきます。

やがてロンメルは祖国ドイツのためにヒトラーを逮捕する計画に加担しますが、かつて尊敬したヒトラーを自分の手で害することはできず、最終的にはヒトラーから自害を促されて毒を仰ぎます。


この一連の行為の是非は置くとしても、僕はこのロンメルの行動に「忠誠心」の発露を感じずにはいられません。


占星術的に言うならば、3室を支配する土星に5室と12室を支配する機能的吉星である火星がコンジャクトしており、さらに3室には無傷の木星が在住。いざとなれば主君を諫める勇気と矜持を示している。

さらに上でも説明しましたが、5室・9室・12室のクオリティはその根底に流れる高潔さをあらわしています。



というわけで長くなってしまいましたが、「火星に忠誠心という象意はあるか?」という問いに対しては

「火星はその役割の一部を担っているが、ホロスコープ全体を見渡さなければわからない」

という結論になると思います。

部分は全体、全体は部分。

常にホロスコープ、そして人間を包括的に眺めるような視点を持ちたいですね。



惑星は支配するハウスによって吉凶が変化する。たとえば1,5,9室を支配する惑星は吉星化し、3,6,11室を支配する惑星は凶星化する。これを機能的吉凶という。

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