【インド占星術のキホン】分割図を描いてみよう!~ドレッカナ(D3)編~
更新日:8月14日

インド占星術において、分析の要とも言える分割図(ヴァルガ・クンダリー)。
特にD9(ナヴァーンシャ)は重要な分割図として有名で、ラオ先生は分析においてD9を使わないのは「子どもを堕ろすのに等しい」とさえ言っています。 さて、この分割図は用途・種類において多岐にわたりますが、それぞれの分割図の本質をひとことで述べるなら、まさにラオ先生のたとえ通り、D1(出生図)を母として生まれた子供たちということになると思います。
仕事を見るD10(ダシャーンシャ)、両親を見るD12(ドゥワダシャーンシャ)、アリシュタを見るD30(トリムシャーンシャ)……それぞれの分割図には作図するための独自な計算式があり、それはD1の配置をもとにして導かれます。
もちろん現代ではJyotish-ONEをはじめとしたアプリがあるため、分割図の作成を手計算で行う必要はありません。
しかし、ラオ先生は「計算しなければ占星術に必要な直感が発達しない」とも述べていたはずです。構造の成り立ちを知るという意味でも、やはり一度自らの手で計算する機会があったほうがいいのではないでしょうか?
というわけで、今回の「インド占星術のキホン」では分割図の作成にチャレンジしてみます。
取り上げるのは兄弟姉妹を見るためのD3(ドレッカナ)です。
D3(ドレッカナ)の作成法

こちらはある方のD1です。
このホロスコープをもとにD3を作成してみましょう。
なぜD3を選んだのかというと、他の分割図より作成が簡単だからです。
D3を作図する手順を以下にご紹介します。
① 惑星の度数から何番目のドレッカナなのか判断する
ちなみにD3の「D」は「Division」の頭文字。
つまり、D3という表記が示しているのは「星座を三等分する」ということです。
ここから、D3を計算する時には30°の幅の星座を以下のように3つの短冊に分割します。
0°―10°→1番目のドレッカナ
10°―20°→2番目のドレッカナ
20°―30°→3番目のドレッカナ
上記のように、それぞれの短冊は〇番目のドレッカナという呼び方をします。
ちなみに、ホロスコープを見るとそれぞれの惑星の右隣には各星座における位置を示す数値(たとえばアセンダントは蟹座の0:36)が記されています。
この度数を見て、それぞれの惑星(アセンダントも含む)が何番目のドレッカナに配当されるのかをチェックします。

一例として水星を見てみましょう。水星は獅子座の15:50に位置しています。
先ほどの短冊に照らし合わせてみると、水星は2番目のドレッカナにあたるのがわかります。
これが最初のステップです。
② ルールに則り惑星を配当する
次のステップでは、①をもとに実際に惑星を配当していきます。
ルールは以下の通り。
1番目のドレッカナの惑星は、D1の在住星座から1ハウスに配当する(つまり変わらない)
2番目のドレッカナの惑星は、D1の在住星座から5ハウスに配当する
3番目のドレッカナの惑星は、D1の在住星座から9ハウスに配当する
在住星座から1,5,9ハウス‥‥‥トリコーナ・ハウス※を彷彿とさせる法則ですね。このあたりは結構面白いです。

では水星を実際に配当してみましょう。
水星は獅子座に在住し、2番目のドレッカナに配当されていました。
なので、獅子座から5ハウスがD3における在住星座となります。
上記の通り、射手座です。

以上の配当をアセンダントとすべての惑星で行います(右端がD3の星座)。
ちなみにケートゥは必ずラーフの対面に位置するので、ラーフだけ計算すればOK。
Asc―1番目→蟹座
Su―1番目→乙女座
Mo―3番目→牡羊座
Me―2番目→射手座
Ve―1番目→乙女座 Ma―2番目→牡牛座
Ju―1番目→蠍座
Sa―2番目→乙女座
Ra―3番目→乙女座
Ke→Raの対角の魚座
以上のようになるはずです。

こちらが完成したD3(ドレッカナ)。
計算通りに惑星が配当されていますね。
以下は余談ではありますが、この方には3歳差の妹がいます。 ヴィムショッタリ・ダシャー(時期を読むための技法)では妹さんの誕生日はVe-Sa期(金星―土星期)にあたります。

D3のアセンダントは蟹座なので、ここが1室になります。 金星も土星も兄弟姉妹の3室に在住しています。
この時期、妹が誕生したという事実がD3によく出ているのがわかります。
「インド占星術のキホン」シリーズ、今回は分割図の計算について扱いました。
思うのですが、一流と呼ばれるシェフの方々は、自分の店で扱う食材のルーツや生産過程、そして生産に携わる人たちについて理解を深めるため、必ず現地に足を運ぶはずです。
それは「構造について知る」ということ。
「知る」ことは、見えない部分で必ずその人や技術やインスピレーションを支えているはずです。
僕は個人的に、ダシャーや分割図の計算方法について学び、手計算を行うという行為にそれに近いものを感じています。
では、今回はこのへんで。
次回は最重要ともいえる分割図「D9(ナヴァーンシャ)」の計算について取り上げてみたいと思います!
※ 1ハウス、5ハウス、9ハウスはまとめて「トリコーナ・ハウス」と呼ばれ、幸運(バッギャ)を象徴するハウスとされる。またの名をラクシュミー・スターナ。



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