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【マンデーン】ホロスコープとダシャーで皇位継承を読む



中級者向け記事です。


前回の「共通する特徴を探し出せ!ホロスコープ10番勝負〜国王・天皇編〜」では、王族のホロスコープの共通項とともに、愛子さまのホロスコープを並べて比較・検証を行いました。

今回はその続きです。


現在の皇室典範の下では直系長子でありながら皇太子となれない愛子内親王殿下ですが、果たして将来女性天皇として立つ日は来るのだろうか?

そこで今回は、愛子さまのホロスコープとダシャー、さらに日本建国図をもとにその可能性を探ってみたいと思います。



日本建国図に見る変革の時期




まず、清水俊介先生たちが時刻修正した日本建国図を見てみましょう。

天皇の即位宣言やそれにまつわる儀式などは憲法において定められる国事行為ですが、愛子さまの進退にまつわるイベントも国家の行く末に関わる重大事であり、それは当然日本建国図にもあらわれるでしょう。


左はヴィムショッタリ・ダシャー。右はチャラ・ダシャー。

並べて眺めていると気づくことがあります。

マハー・ダシャーの切り替わりの時期がほぼ一致する一点があり、それが木星期と射手座のダシャー・チッドラ※1、すなわち2029年前後です。

このように、ヴィムショッタリ・ダシャーとチャラ・ダシャーの切り替わりが一致する時期は一般的に大きな変化を示します。




2029年12月からの金星期は高揚の星座にあってヴァルゴッタマ。品位としては申し分ありません。大変強力な時期です。 金星はD1でもD9でも4室(玉座)、10室(公・政)、11室(達成)に絡んでいます。

そして重要なのは、金星は女性の惑星だということです。




チャラ・ダシャーでは2028年4月から射手座。

射手座から見ると10室に土星がありますが、土星はマトリ・カーラカ(玉座)です。

10室にはやはり金星がジェイミニ・アスペクト、さらに月と水星もアスペクトしています。

金星と同じく、月も女性をあらわす惑星です。


では、2029年12月以降大きな変化が見られると仮定して、この年のヴァルシャファラ・チャート(年運)※2も見てみましょう。




こちらは2030年4月からの1年間を占うヴァルシャファラ・チャート。

アセンダントは射手座。この年はドゥビ・ジャンマ・イヤーとなります。

ドゥビ・ジャンマ・イヤーとは「生まれ変わり」を表し、良かれ悪かれ大きなイベントの発生を示唆します。ちなみに前回の日本のドゥビ・ジャンマ・イヤーは1999年なので、実に31年ぶりのドゥビ・ジャンマ・イヤーとなります。


ムンターは「デビュー」の7室、ムンテーシュは「威厳」の5室で高揚する太陽、定座の火星とコンジャクト。

そしてやはり、10室に金星と月がアスペクトしているのがわかります。


ちなみに、この2030年は前々からラオ先生が警告していた「世界大戦規模の戦争」が起こるとされている年。この大きな変化はその影響もあるのかもしれません。




愛子さまのダシャーを検証する




こちらは前回紹介したホロスコープ。

ご覧になってお気づきと思いますが、愛子さまのヴィムショッタリ・ダシャーも2029年を機にラーフ期から木星期へと移ります。

つまり、日本建国図との一致が見られます。


木星はD1において9室、11室にアスペクト。さらに8室を支配する火星にアスペクト。

D1では少し微妙な感じもしますが、D9において木星は5室(威厳)と8室(継承)を支配して9室に在住し、1室に在住する金星にアスペクト。金星は10室を支配しています。




カルマ(行為)をあらわすD10において、木星は5室と8室を支配し、太陽とコンジャクト。5室から1室の金星にアスペクトしています。金星はやはり10室を支配しています。

D9におけるテーマが完全に繰り返されていることがわかります。

前のラーフ期に比べると格段に良くなっていますね。





愛子さまのチャラ・ダシャーを見てみると、2024年から2033年まで獅子座期。

獅子座はアセンダントから5室。さらにカラカムシャ※3からも5室。

威厳が備わる時期です。

獅子座から見て10室にアマティア・カーラカである月があり、さらに月はムーラトリコーナで大変強い。典型的な上昇の時期です。

さらに、獅子座から4室(玉座)も大変強いですね。




「どの時代にも新しい風が吹く」



さて、僕なりに検証してきましたが、いかがだったでしょうか。

僕が思うに、2029年前後には愛子さまの皇太子への道筋が定められ(あるいはすでに皇太子となられた愛子さまが大きく即位に向けて前進する)、それにより日本という国の舵取りは大きくその方向を変えてゆくのではないかと思っています。


しかしながら以前の記事でも書きましたが、こうしたマンデーン(政治)占星術において、ホロスコープやダシャーの分析に占星術家自身の政治観、歴史観が反映してしまうのは避けられないことです。

だから今回の記事で書かれているのは、半ば僕自身の願望の反映と言えるかもしれません。



あらためて愛子さまのホロスコープを見てみると、逆行して傷ついている木星が特徴といえるかもしれません。木星はご存じのように「伝統」の惑星。

特に木星とラーフのコンビネーションは「恩知らず」「裏切り」のグル・チャンダル・ヨーガとして有名です。


しかし、僕はあえてここに希望を見出しています。

グル・チャンダル・ヨーガは「変革者」のコンビネーションであり、硬直化した分野に新しい風と機運をもたらす可能性があります。


はるか昔、後醍醐天皇は「今の例は昔の新義なり、朕が新儀は未来の先例たるべし」と喝破し、上皇后美智子さまもかつて「どの時代にも新しい風があり、どの時代の新しい風もそれに先立つ時代なしには生まれ得なかった」と述べられました。

つまり、伝統とはドグマ(教条主義)の中にはなく、時代時代の風を受けて漸進的に変化していくものだということです。


あえてここでは詳しく書きませんが、女性たちが古き時代の軛(くびき)から解き放たれ、より生き生きと、愛を持って活躍できる皇室となることを僕自身は祈っています。

その鍵を握るであろう愛子内親王殿下の進退に、今後も注目していきたいと思っています。



※1 マハー・ダシャーが切り替わる境界の時期。最初と最後のアンタル・ダシャーが該当する。一般に環境変化が大きく、不安定な時期。

※2 イスラムに端を発する占星術。ソーラー・リターン。トランジットの太陽がネータルの太陽に重なるタイミングでホロスコープを作成し、一年の運気を占う。

※3 D9でアートマカーラカが在住する星座(スワムシャ)をD1に移したもの。重要なアセンダントのひとつ。

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