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水星VS月、土星VS太陽・・・相性の悪さの理由は神話にあり?


ギリシャ神話のゼウス。エジプト神話のオシリス。

尊い神格を持って人間の上に君臨するはずの神々が実は浮気者だったというエピソードは、古今東西さまざまな神話に登場します。

そして、それはインド神話やプラーナ文献においても同様です。


ナヴァ・グラハ(9つの惑星)のスーリヤ(太陽)やブリハスパティ(木星)、ソーマ(月)などは古くは「リグ・ヴェーダ」などにもその記述が見られる神格、つまり特有のキャラクターを持つ神さまでした。

そして実は、その神さまたちの破天荒なエピソードが惑星同士の「相性」にも影響しているのです。


ひとつ実例を挙げてみましょう。




暑くて耐えられない!影武者を置いて家出した太陽の妻



スーリヤ(太陽)にはサンニャーという妻がいた。

しかし、夫の放つ熱の強さに耐え切れず、ある時サンニャーはチャヤ(「影」の意)を自分の身代わりとして夫の傍に置き、彼の元から逃げ出してしまう。


しかし、そうとは気づかないスーリヤはチャヤを抱き、彼女との間に子供ができてしまう。

そして生まれた子供が真っ黒な土星神・シャニである。



・・・という神話上のエピソードがあるのですが、これにより土星と太陽は仲が悪いとされています。

土星からすれば「あのクソ親父・・・!」というわけですね。


ここで、以前のブログ「【永久保存版】惑星の品位一覧」で取り上げた惑星同士の友好関係の図をあらためて見てみましょう。



見事にお互いに「敵対」していますね(お互いの支配星座を見てください)。

太陽のほうも息子に対して快く思っていないことがわかります(^^;


月という惑星界一のチャラ男がもたらした悲劇



ある時、月の神ソーマは木星の守護神であるブリハスパティの妻、ターラーを誘惑して奪い去った。怒ったブリハスパティはインドラなどの神々の支援を受けてソーマに対して戦いを仕掛け、天界を揺るがす大戦争が勃発する。


激戦の末にブリハスパティはターラーを取り戻すが、彼女が産み落とした子供はソーマの子供だった。

子供はブッダ(水星)と名付けられたが、激怒したブリハスパティは水星に男性としても女性としても生きられないという呪いをかけてしまう。これにより、水星は「中性」を象徴する惑星となった。


・・・というのがプラーナ文献に記載されているというエピソードです。

月と木星の争いは、なんと全宇宙を巻き込む大戦争に発展しています。

そして、やはりこうした神話が由来となって月と水星の仲も微妙なものとなっているのです。



水星にとっては、月は敵対する惑星。

しかし月にとっては水星はむしろ友好惑星となっています。

不倫とはいえ、ターラーのために戦争を起こすくらいだからソーマは真剣に彼女のことを愛していたのかもしれませんね。息子である水星のことも。

水星にとっては今は「敵対」状態の月(父)ですが、いつの日か和解できる日が来るといいですね。。。


というわけで今回は、惑星の相性と神話についてご紹介しました。

「最高星位」や「ムーラトリコーナ」の星座などは覚えられても、「友好」「敵対」まではなかなか把握できないという人は多いのでは?

そういう時、こうした神話についてちょっと思いを馳せてみるといいかもしれませんね。


khodâ negahdâr(それではまた)!

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