【アリシュタ・ヨーガ】病気・貧困……人生における「困難」を読み解く
- 2 日前
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今回もインド占星術のヨーガをご紹介します。
このブログでは、これまで「パンチャ・マハープルシャ・ヨーガ」「ラージャ・ヨーガ」など、基本的には吉意の強いヨーガを紹介してきました。
しかし、今回は毛色が少し異なります。
本日ご紹介するのはアリシュタ・ヨーガ。通称「不幸のヨーガ」です。
Arishta Yoga
【定義】
ラグナ、月、太陽が深く傷つく。
(他にも複数の定義あり)
【意味】
人生におけるさまざまな「不幸」「障害」をあらわす。
サンスクリット語のArishtaは「病気」をあらわします。
しかし、アリシュタ・ヨーガが意味するものは病気だけではなく、怪我や貧困、挫折など、人生におけるあらゆる困難を含みます。
そもそも「不幸」を読むヨーガにはArishtaと「貧困」を意味するDaridra(ダリドゥラ)という分野があったようですが、次第に統合して「アリシュタ・ヨーガ」と呼ばれるようになったそうです。
アリシュタ・ヨーガの成立条件はさまざまですが、上記の「ラグナ、月、太陽が深く傷つく」というのはそのうちの最も一般的なものといえるでしょう。
今回は、特にラグナ(アセンダント)に焦点を当ててホロスコープを見てみます。
「ラグナが傷つく」とは?

まず、ラオ先生がどういうホロスコープを実例として挙げているのか見てみましょう。上記のホロスコープは「ラオ先生のやさしいインド占星術~基礎知識編~」に掲載されている、パンドゥさんという方のホロスコープです。
詳細は同書をお読みいただければと思いますが、要はパンドゥさんというのは、冤罪で逮捕され、危うく死刑にされかけた青年です。ラオ先生は彼のホロスコープを読み、彼の父親に「裁判を引き延ばせば勝てる」と助言し、最終的に彼は解放されます。
ラオ先生は同書において「惑星と犯罪」という文脈でパンドゥさんの事件を紹介したわけですが、「冤罪で投獄される」というのはやはりアリシュタの現象化だといえるでしょう。
アリシュタの実例としてパンドゥさんのホロスコープを見てみると、さまざまな点で該当することがわかります。今回は宣言通り、ラグナとラグナ・ロード(1室の支配星)に焦点を当てます。
つまり、注目するのは乙女座と水星のコンディションですね。

ラグナには6室を支配する土星と8室を支配する火星があり、非常に深く傷ついています。
また、ラグナ・ロードの水星は逆行しており、6室を支配する土星のアスペクトを受けています。
ラグナが「傷つく」とは、すなわち生来的凶星、機能的凶星(あるいはドゥシュタナ・ハウス)の影響を受けるということです。機能的凶星については先日の記事をご覧ください。
この基準に照らし合わせれば、パンドゥさんのラグナは深刻に傷ついているといえるでしょう。
とてもわかりやすいアリシュタ・ヨーガです。

ラグナ・ロードの水星についてもう少し言及すると、火星と星座交換が起きていることがわかります。
星座交換には惑星を強くする効果がありますが、彼の場合、8室を支配する火星との星座交換なので、同時に傷をもたらす結果にもなっています。
また、水星はガンダーンタという危険な領域(蠍座と射手座の境界)に位置するため、問題を引き起こします。
パンドゥさんは典型的なアリシュタのホロスコープと言えますが、ラオ先生はそんな彼を救った惑星の配置やダシャーについても言及しています。ぜひ同書をご自分で読んでみてください。

たまたまですが、このパンドゥさんとよく似たアリシュタ・ヨーガを持つ方を鑑定したことがあります。
聞いてみると、このYさんは若いころからひどい片頭痛持ちで、病弱とのこと。パンドゥさんのように投獄はされていませんが、頭痛で一時期家から出られない状態にあったということでした。
パンドゥさんのホロスコープとよく見比べてみてください。さまざまな共通点が見つかると思います。
今回は「不幸」をあらわすアリシュタ・ヨーガをご紹介しました。 できればあまり見たくないヨーガだとは思いますが、占星術で相談に乗る上でも、一人の人間として生きていくうえでも、この「アリシュタ」は避けて通れないものだと思います。
しかし、個人的に強調しておきたいのは、アリシュタを自分のホロスコープに見つけたからといって落胆したりしないこと。占星術的な見解については素人判断せず、病気や訴訟などの問題についてはちゃんとその道の専門家に相談されてください。


