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共通する特徴を探し出せ!ホロスコープ10番勝負〜国王・天皇編〜


Netflixオリジナルドラマ「ザ・クラウン」より


インド占星術中級者向け記事です。

地道に続けているこのシリーズも、前回の「フリーランス編」を経て今回で6回目です。


繰り返しになりますが本企画の主旨を説明すると、「検証には最低でも25のホロスコープを用いなさい」というラオ先生の方針に則り、テーマを設定してできるだけ多くのホロスコープで共通点を見出そうというもの。

今回は「国王・天皇編」と題して、いわゆるロイヤル・ファミリーのホロスコープを取り上げてみたいと思います。


純粋なリベラルの観点からいえば、人権を著しく制限された王室・皇室は「奴隷制」と通じるという意見も存在します。しかし、国王の専制時代から時代は移りかわり、民主主義という政治体制が機能していても、王室制を残す国は多い。

なぜ、私たちは王室の人々を仰ぎ見て敬慕し、支え、何かを託すのだろうか?

個人的にはとても興味深いテーマです。


本記事で取り上げたホロスコープは10人。

王族は全国民が注視するという環境で誕生するため、誕生時刻がある程度正確であることが保証されている点が良いですね。

ちなみに今回はロイヤルファミリーの中でも国王・女王・皇帝・天皇など、「君主」の地位についた人物を取り上げました(⑩愛子さまを除く)。なので、ダイアナ妃や美智子さまなどは対象外です。


それでは、実際にホロスコープを見ていきましょう。

今回注目したパラメータはトリコーナ・ハウス、2室、10室です。


 

①アクバル帝(1542-1605)



北インド、ムガル帝国の第3代君主。

急死した2代フマユーン帝の跡を継ぎ、軍事・行政制度を改革。インド史上最大の帝国の礎を築き、拡大した領土の安定統治のため異教徒との融和を進めた。


① 9室に高揚する土星がアスペクト

②2室に金星が在住

③ 10室の支配星が8室にアスペクトし、8室の支配星とコンジャクト




②エリザベスⅠ世(1533-1603)



イングランドとアイルランドの女王。

父ヘンリー8世の宗教改革を受けついでイギリス国教会、絶対王政を確立した。彼女の統治時代はエリザベス朝と呼ばれ、イングランドの黄金期と言われている。


① 1室にムーラトリコーナの木星が在住

② 2室の支配星が金星にアスペクト

③ 8室の支配星は10室に在住する金星のナクシャトラにある




③アウラングゼーブ(1618-1707)



北インド、ムガル帝国の第6代君主。

帝国の領土を最大にしたが、厳格なスンニー派イスラム教徒として他教徒を弾圧したため反乱を招き、財政を破綻させ、帝国を衰退させた。


① 1室にヴァルゴッタマの太陽が在住

② 2室に金星が在住

③ 8室を支配する金星は10室を支配する月とディグリーコンジャクト




④ビクトリア女王(1819-1901)



イギリス・ハノーヴァー朝第6代女王、初代インド皇帝。

1837年、伯父ウィリアム4世の死によって、わずか18歳でイギリスの女王となる。

彼女の統治時代は『ヴィクトリア朝』と呼ばれ、「太陽の沈まぬ国」と讃えられる大英帝国の黄金期を築き上げた。


① 1室にムーラトリコーナの月が在住

② 2室の支配星が金星とコンジャクト

③ 10室の支配星が8室にアスペクト




⑤エリザベスⅡ世(1926-2022)



ウィンザー朝第4代女王、イギリスの他14か国の英連邦王国及び王室属領・海外領土の君主。

21歳のときにフィリップ王子と結婚し、長男チャールズ皇太子、長女アン王女を授かった。

在位期間は70年と214日。英国史上最高齢かつ最長在位の君主であった。


① 1室に高揚する火星が在住

② 2室に金星が在住

③ 8室の支配星が10室にアスペクト




⑥チャールズⅢ世(1948-)



エリザベスⅡ世の長男。エリザベス2世の在位中は長らく皇太子であったが、女王の崩御によりウィンザー朝第5代国王として即位した。

母親の血筋により即位したことから「女系」の王位継承となる。


① 5室に定座の火星が在住。9室の支配星はムーラトリコーナの品位にある。

② 2室の支配星とコンジャクトする水星は金星と星座交換している。

③ 10室の支配星は8室にアスペクト




⑦昭和天皇(1901-1989)



御名は裕仁、称号は迪宮。大正15年12月25日、大正天皇の崩御により践祚され、第124代天皇となる。

満州事変、日中戦争、対米英開戦、そして日本国の敗戦と、まさに激動の時代を歩んだ。

研究者としても一流で、専門的な海洋生物・植物の分類研究を続け、著作も多数。


① 1室に定座の木星、5室に高揚する太陽が在住。さらに5-9の星座交換がある

② 2室の支配星は金星のナクシャトラにある

③ 8室の支配星が10室に在住




⑧平成天皇(1933-)



御名は明仁、称号は継宮。1989年1月7日の父・昭和天皇の崩御に伴い即位した。

幾多の困難を経ながら平民出身の美智子さまを妃をして迎えたり、200年ぶりの生前退位を実現したりするなど、時代の変化に合わせた新たな天皇制を模索した。


① 5室の支配星が高揚

② 2室に金星が在住

③ 10室に在住する木星は8室の支配星とディグリーコンジャクト




⑨今上陛下(1960-)



御名は徳仁、称号は浩宮。終戦から15年後の昭和35年(1960)2月23日に上皇夫妻の長男として誕生し、平成天皇の御退位によって2019年5月1日に即位。

学習院時代の趣味はスピードスケートからヴィオラまで幅広く、留学した英国オックスフォード大学ではテムズ川の水運史について研究した。


① 5室の支配星が高揚し、9室の支配星がムーラトリコーナの品位にある

② 2室の支配星は金星とディグリーコンジャクト

③ 10室の支配星は8室に在住する太陽のナクシャトラにある




⑩愛子内親王(2001-)



御名は愛子、称号は敬宮。2001年(平成13年)12月1日、徳仁陛下と雅子妃との間に第1皇女として誕生した。

学習院初等科ではバスケットボールや管弦楽、書道等の練習に励み、優れた文章力も発揮。中学1年にして海洋生物を慈しむ短編小説を執筆した。

現在、将来の女性天皇誕生をめぐってさまざまな議論が行われている。


① 5室の支配星がヴァルゴッタマ

② 2室に金星がアスペクト

③ 10室の支配星が8室にアスペクト




国王・天皇に求められる資質とは?



今回、僕が見出したパラメータは以下の通りです。


① トリコーナハウス(1,5,9室)に定座以上の惑星が絡む

② 2室に金星が絡む

③ 8-10のコンビネーションがある


①は「幸運・人徳・加護」をあらわすトリコーナ・ハウスに一定以上の強さがあるかどうか。


②は、王族としての威厳や立ち振る舞いですね。ご存じのように2室は言葉や作法をあらわしますが、同時に生育環境や幼少時の教育を示しており、いわゆる「帝王学」にあたる部分だと思われます。


③は、いわゆる「世襲制」の側面です。王族・皇族はそれぞれの国ごとに定められた「直系長子優先」などといった条件によって王太子・皇太子となり、先王の崩御や退位によって即位します。つまり、10室(公務)と8室(継承・相続)のコンビネーションですね。


個人的に興味深いと思ったのは2室ですね。2室に火星がしつこく絡んでいた政治家のホロスコープとは対照的で、要求される資質の違いが感じられます。

また、パラメータの中には入っていませんが、高貴(noble)な惑星である太陽と木星の強さを詳しく見てみても面白いでしょう。10人中10人、太陽か木星が定座以上(ヴァルゴッタマ含む)、あるいは定座以上の惑星と絡んでいます



というわけで今回は国王・天皇のホロスコープの共通点を検証してみましたが、最後に一点。

なぜこの流れであえて愛子さまのホロスコープを紹介したのかというと、僕自身がひとりの庶民として、将来愛子さまが天皇として即位されることを願っているからです。


愛子さまのホロスコープと皇位継承については、また次回の記事で取り上げてみたいと思います。

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