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ホロスコープ十番勝負~長編作家とドゥシュタナ・ハウス~



インド占星術中級者向け記事です。


この「ホロスコープ十番勝負」は「検証には最低でも25のホロスコープを用いなさい」というラオ先生の方針に則り、テーマを設定してできるだけ多くのホロスコープで共通点を見出そうというもの。

過去にも「ロイヤル編」「フリーランス編」などさまざまなテーマでリサーチを行いました。よければ過去記事もご参照いただければと思います。


さて、今回のテーマは「長編作家とドゥシュタナ・ハウス」。

かつて「文筆業編」において著名作家のホロスコープを取り上げ、作家となるための基本的なパラメータのいくつかを抽出しましたが、今回はその続編というか、さらなる深掘りのためのリサーチを行ってみました。



作家の表現とアンダーグラウンド性


長編作家の執筆に要する労力と時間には、おそらくわれわれの想像をはるかに超えるものがあると思います。そこまでして彼らが表現しようとしているものは一体何なのか?と考えた時、僕が思い出すのは村上春樹さんの次の言葉です。


「自分の魂の不健全さというか、歪んだところ、暗いところ、狂気を孕んだところ、小説を書くためにはそういうのを見ないと駄目だと思います。というか、そのたまりみたいなところまで実際に降りていかないといけない。

でもそうするためには健康じゃなくちゃいけない。肉体が健康じゃなければ、魂の不健康なところをとことん見届けることができない」

(『 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 』)


もちろん作家全員が村上さんのようなスタンスで創作するわけではないでしょうが、この発言には長編作家の本質を突いた部分があると個人的には思います。


村上さんが言うところの「歪んだところ、暗いところ、狂気を孕んだところ」。

つまり、個々人の作風や世界観の違いはあれど、古来より作家が表現しようとするものの根底にあるのは「ドゥシュタナ・ハウス」的な要素なのではないだろうか?


たとえば6室は「病気・怪我」「犯罪」「葛藤」「悲しみ」。

8室の代表的な象意は作家に不可欠な「才能」ですが、同時に「死」「秘儀」「苦悩」「アンダーグラウンド」という象意もあります。

これらが3室(執筆)とどう絡むかが鍵になりそうです。


今回、検証にあたって設定したパラメータは次の通り。


①3室(執筆・表現)と6室と8室が絡んでおり、3-6-8のコンビネーションができている

②11室(達成)が定座以上の惑星と絡んでおり、執筆の完遂・作品の評価をあらわしている


果たして仮説は証明されるのだろうか?実際にホロスコープを見ていきましょう。

ちなみに、参考として代表作の執筆時期のヴィムショッタリ・ダシャーも掲載しておきました。


 

①スティーブン・キング

ジャンル:モダンホラー

代表作:『キャリー』『シャイニング』『グリーンマイル』

『シャイニング』執筆時期:Ve-Me期


① 8LSaが6LJuにアスペクトされ、3Hにアスペクト

② 11LVeは定座Meとコンジャクト。D9で高揚


 

②JKローリング



ジャンル:児童文学

代表作:『ハリー・ポッター』シリーズ

『ハリー・ポッター 賢者の石』執筆時期:Ra-Me期


① 3,6LJu が8H

② 11Hに定座のSaがアスペクト


 

③ジョージ・バーナード・ショー



ジャンル:戯曲

代表作:『ピグマリオン』『シーザーとクレオパトラ』

『ピグマリオン』上演時期:Sa-Sa期


① 8LJuが6LVeと3Hにアスペクト

② 11Hに定座のJuが在住、JuはD9でも定座


 

④ラビンドラナート・タゴール



ジャンル:詩・文学

代表作:『ギータンジャリ』

『ギータンジャリ』執筆時期:Mo-Ju(Sa)期


① 3,8LVeが6LSuとコンジャクト

② 11Hに高揚Juがアスペクト


 

⑤マルセル・プルースト



ジャンル:哲学・文学

代表作:『失われた時を求めて』

『失われた時を求めて』執筆時期:Ma-Ve期


① 3,8LVeが6H

② 11Lに定座 Meがアスペクト


 

⑥ジェイムズ・ジョイス



ジャンル:詩・文学

代表作:『ユリシーズ』『若き芸術家の肖像』

『ユリシーズ』執筆時期:Ve-Ma(Ra)期


① 6LVeは3LSaと8LMoにアスペクトされている

② 11LVeは定座のMoにアスペクトされており、D9で定座


 

⑦フランソワーズ・サガン



ジャンル:戯曲・文学・映画脚本

代表作:『悲しみよこんにちは』

『悲しみよこんにちは』出版時期:Ju-Ju期


① 8LJuは3Hにあり、6LSaにアスペクトしている

② 11Hに定座Meが在住


 

⑧ヘルマン・ヘッセ



ジャンル:詩・文学

代表作:『車輪の下』『デミアン』

『車輪の下』出版時期:Me-Ju期


① 3LSaは6LMaとコンジャクト。8LMeは6LMaのナクシャトラにある

② 11Lは定座


 

⑨アルベール・カミュ



ジャンル:哲学・戯曲・文学・ジャーナリズム

代表作:『異邦人』『ペスト』

『異邦人』出版時期:Ju-Ma(Ra)期


① 3LVeは8Hにアスペクトし、Maのナクシャトラにある。Maは8LJuと6Hにアスペクト

② 11Hに定座Juがアスペクト


 

⑩三島由紀夫



ジャンル:戯曲・文学・評論

代表作:『仮面の告白』『金閣寺』

『仮面の告白』出版時期:Mo-Ke(Ve)期


① 6LSaが3Hにあり、8LJuにアスペクト

② 11Lは定座Juとコンジャクト、D9で定座




時を超えて愛される「名作」の条件



いかがだったでしょうか。上に挙げた10人の長編作家のホロスコープにおいて①②の条件が全て当てはまっていることがおわかりいただけたかと思います。


実は、このリサーチは去年僕が内輪のグループで発表したもので、今回はそれに少し手を加えて一部を公開させていただきました。

実際にはもっと多くのパラメータを設定して検証しています。

今回はドゥシュタナの12室は外して検証しましたが、12室に注目してみても面白いでしょうね。

また、今回この記事を書いていて気づいたのですが、作品執筆(出版)時のダシャーにも共通点があります。ぜひ探してみてください。



「ドゥシュタナ・ハウス」はよく知られているように不幸や障害のハウスであり、一般的には忌避されがちな象意が込められています。

しかし、釈迦が「生病老死からは誰も逃れられない」と喝破したように、あらゆる葛藤や苦悩、そして喪失とどう向き合うかは私たちの人生における主要なテーマです。


今回取り上げた作家たちは作風も表現形態もさまざまです。

しかし、そうした根本的な欲求、あるいは人間的な葛藤や苦悩が通奏低音のように響いているからこそ、彼らの作品は時代を超えてわれわれの胸を打つのかもしれませんね。

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