「ロイヤルなひと」のホロスコープ

今回は星座の象意について。
ウェブサイトの「インド占星術について」で、「星座から分析をおこなうことはほとんどない」と書きました。
それはある意味、「星座占い」が占星術だと思われている現状に対するカウンターとして書いた部分もあるので、インド占星術が星座分析をまったくしないわけではありません。
特にインド占星術の「ジャイミニ」と呼ばれる技法を使う時や、また、ひとつの星座に惑星が集中しているような場合ですね。惑星集中とは、一般的には(ラーフ・ケートゥを除く)3つ以上の惑星がひとつの星座に在住している状態のこと。
例えばこんな感じです。

相談者のIさん(女性)のホロスコープ。
8ハウスの蟹座に土星と太陽が、9ハウスの獅子座に金星と水星と火星が在住しています。
僕はこのことに気づいて
「なんかロイヤルだなぁ・・・。蟹座と獅子座に惑星が集まってる。気位が高そうですね」
とつぶやくと、Iさんは
「そうなんです・・・。会社の同僚からも『お嬢』っていわれてます」
というお返事。さらに聞いてみると、出身校も「女子御三家」と名高い某名門中高の出身ということでした。
蟹座はQUEEN、獅子座はKINGを象徴する星座。どちらも王家に関わる星座です。
蟹座は2つなので惑星集中とはいえませんが、7つの実惑星のうち5つが蟹座・獅子座のエリアに集中しているといえるでしょう。
惑星集中が、その星座の象意を強めるという一例ですね。
また、Iさんのアセンダント(1ハウス)は射手座ですが、射手座は「王家の紋章」を象徴する星座で、やはり王家に関係しています。
「ロイヤルな人」に共通点はあるのか?
ということで、こちらは昭和天皇のホロスコープ。

名前が「昭和天皇さん」になっていますが、不敬ですね(笑)。アプリの仕様でこうなってしまうのです。
Iさんと違い、蟹座・獅子座エリアには火星しかありませんが、獅子座を支配する太陽が高揚しています。高揚とは、簡単にいえば惑星が「強い」ということ。
蟹座と獅子座がロイヤルな星座であるならば、それを支配する月と太陽もまた、ロイヤルな惑星であるといえるでしょう。昭和天皇の場合、これにくわえて木星が強いのもポイントです。
ここから先は中級の分析になると思いますが、昭和天皇のホロスコープの特徴としては
・ラグナ(アセンダント)に定座の木星が在住。木星は4ハウス(玉座)の支配星。木星は5ハウス(威厳)の金星と太陽にアスペクト。
・5ハウス(威厳)と9ハウス(伝統)のパリヴァルタナ・ヨーガ(星座交換)。素晴らしいラージャ・ヨーガを形成している。
・10ハウス(行為)に8ハウス(中断・不測の事態)を支配する月が在住。昭和天皇は日本の敗戦により、生命と天皇制存続の危機にさらされた。
などが挙げられると思います。