出産とダブルトランジット

また一か月ぶりの更新になってしまいました。
現在、7月初めにパーカッショニストとしての舞台出演を控えているため、ひたすら練習の日々・・・。旋回舞踏(イスラム神秘主義の舞)をされるダンサーさんとの共演なので、個人的にとても楽しみにしています。 さて、今回の記事は以前書いた「木星は「直感」を与え、土星は「かたち」を与える。【ダブル・トランジット】その①」の実践編です。
その②ではアル・パチーノのトニー賞を例に挙げて説明しましたが、今回はもっと身近な出産を例に取り上げてみたいと思います。
復習になりますが、ダブル・トランジットとは「拡大」をもたらす木星と「具現化」を象徴する土星の影響が重なるハウスが活性化するという理論でしたね。詳しく知りたい方は上記の過去記事をご覧ください。
静的分析(Static analysis )

さて、ダブルトランジットを取り上げる前に強調しておかなければならないのは、トランジットだけではイベントは起こせないということ。
トランジットはあくまで荷物を届ける配達人であり、荷物を入れるのはホロスコープとダシャーです。
そういうわけで、このYAさんの生まれ持った子供運を先に検証してみます。
ホロスコープにはどんなPromiseが示されているのか?
●肯定的な点
・5室(子供)の支配星である金星は一切凶星の影響を受けておらず、無傷。さらに吉星である木星と月とコンジャクトしている。
・子供のカーラカ(表示体)である木星が無傷。さらに金星、月とコンジャクトしている。
●否定的な点
・5室にケートゥが在住している。 ・5室の支配星、および木星が在住する獅子座は妊娠しづらい(不毛の)星座とされる。
・D9(ナヴァーンシャ)において5室と木星が傷ついている。
このように吉凶両面があるわけですが、総合的なバランスを見た上で、僕であればこの方の5室は吉星優位と判断します。つまり、子供運がいいわけです。
結果的には、この方はヴィムショッタリ・ダシャーのラーフ期に3人のお子さんを出産されました。現代日本においては紛れもない子沢山ですね。
なぜラーフ期にそんなに子供に恵まれたのか?
ラーフが在住している牡羊座から5室をご覧ください。木星・金星・月が在住しています。
長男出産のトランジット

では、トランジットを見ていきましょう。
外側の緑色のホロスコープがトランジット・チャート。つまり、リアルタイムの天体配置です。
こちらは長男を出産された時のもの。
ダブルトランジットはセオリー通りに5室でできているでしょうか?
・木星は獅子座をトランジット。ネータル・ホロスコープでは獅子座には5室の支配星である金星が在住している。
・土星は山羊座をトランジット。山羊座はネータルの5室である天秤座にアスペクトしている。
というわけで、ちゃんと5室のダブルトランジットが成立しています。
重要なのは、ハウスそのものだけではなく支配星に絡んでもオーケーだということです。
長女出産のトランジット

・木星は逆行して天秤座をトランジット。天秤座はネータルの5室。
・土星は水瓶座をトランジットして獅子座にアスペクト。獅子座にはネータルにおいて5室を支配星する金星が在住している。
二人目のお子さんである長女出産の時も、ちゃんと5室でダブルトランジットが成立していることがわかります。
次男出産のトランジット

こちらは三人目のお子さんである次男出産時のトランジット。
お気づきかと思いますが、この時点ではダブルトランジットが成立していません。
木星はネータルの5室である天秤座にありますが、土星は5室にも、5室の支配星にも絡んでいないからです。
ここで重要なことは、出産の時点で全ての条件を満たす必要はないということです。
ダブルトランジットは妊娠から出産までの間に成立すればオーケー。 というわけで、半年ほど時間を巻き戻してみましょう。

出産から半年ほど前のトランジットはこんな感じ。
先ほどのトランジットとの違いがわかりますか?
土星が逆行しています。
逆行している惑星はひとつ前の星座からもアスペクトする。これはトランジットにおける重要な原則のひとつです。
というわけで、蟹座で逆行している土星は獅子座にもアスペクトします(双子座から三番目のアスペクト)。
獅子座には5室の支配星があるため、この時点では5室のダブルトランジットが成立していたということです。
というわけで、YAさんのホロスコープを例に出産のダブルトランジットを説明してみました。
しかし、この記事で説明しきれなかったこともあります。
実はラオ先生いわく、月と火星も出産においては重要な役目を果たしているのです。 では、月と火星が出産にどのように関わっているのか?
よければみなさんご自身で上記のトランジットをよく見て検証してみてください。
Comments