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ナーラヤーナ・カヴァチャム体験談



前回の記事では、Aさんが僕の勧めた「ナーラヤーナ・カヴァチャム」というマントラを実践し、転職活動で内定が出たというご報告を紹介させていただきました。


もちろん結果が出たのはホロスコープやダシャー、トランジット、本人の努力、もろもろの要素の集積であってすべてがマントラのおかげと言うつもりはありませんが、少なくとも本人の心境にも変化を及ぼしていることがメッセージから見て取れます。


実は僕が個人的に最も信頼を寄せているマントラはこの「ナーラヤーナ・カヴァチャム」で、機会があればよく相談者様にもオススメしています。

今回は、このナーラヤーナ・カヴァチャムについて少し解説してみたいと思います。



ナーラヤーナ・カヴァチャムとは?


ラオ先生の詠唱風景。約8分。画像をクリックすると動画に飛びます


清水俊介先生のブログにも詳しく書かれていますが、ナーラヤーナ・カヴァチャムとは「神の鎧」の意を持つストートラム(聖句)です。

聖地ブリンダーヴァンで数千年前から密かに唱えられてきたもので、ラオ先生も病気で歩けなくなった時に病床でこのストートラムを唱え続け、見事に回復を果たされたそうです。

ナーラヤーナ(Narayana)とはヴィシュヌ神の別称で、以前紹介したヴィシュヌ・サハストラナーマと同じく、ヴィシュヌ系のストートラムです。

効用としては「神の鎧」の名のごとく、あらゆる災厄から身を護り、過ちを犯すことから護り、結果的に自らの才能を十全に発揮できるようになるというもの。

ヴィシュヌ・サハストラナーマと同じく、「万能のマントラ」という位置付けでしょうか。

こちらは自作した詠唱用のテキストですが、通して詠唱すると約8分。

先に紹介したヴィシュヌ・サハストラナーマが約18分ということを考えると、比較的唱えやすい長さではあります(それでも長いほうですが)。

この「唱えやすい(聴きやすい)長さ」というのも、僕が相談者様にオススメしているポイントです。

最初からヴィシュヌ・サハストラナーマから入ってしまうと、どうしてもその長さに圧倒されてしまうという方が見受けられるので。


また、一応唱える時間によっても違いがあり、何か新しい物事を始めたい時には朝に、現状を改善したい時は夜に唱えると良いとされています。




ナーラヤーナ・カヴァチャム体験談


自作テキストより


しかし僕がナーラヤーナ・カヴァチャムを自信を持ってオススメできるのは、何より自分自身でその効果を実感したからです。


僕がインド占星術を学び始めたのは2013年でしたが、ちょうどその頃僕は舞台俳優として活動していました。しかしもちろん売れているわけではなかったのでバイトでなんとか食いつなぐ日々。

この頃は一番お金がなかった時期で(よくもまあそんな時期にインド占星術を学び始めたなと思いますが)、ある時ついに生活費が尽き、実家に帰ろうとしたのですがそれも断られてしまいました。


まさに窮地ですが、そんな時、清水先生がナーラヤーナ・カヴァチャムの冊子を送ってくれたのです。僕はもともと信心深いほうではありません。一般的な無宗教の日本人です。しかしその時はまさに


「神は存在するか、しないか。きみはどちらに賭ける?いや、どちらかを選べということがまちがっている。正しいのは賭けないことだ。だが、賭けなければならない。君は船に乗り込んでいるのだから」(パスカル『パンセ』)


というような心境でした。

冊子の英文からカナ書きのテキストを自作し、毎日欠かさず、一心不乱に朝夕唱え続けました。


ひと月ふた月経って頃おぼろげに暗唱できるようになった頃、母から「これに出場してみれば?」というメッセージが届きました。

そこに書かれていたのは毎年開催されている、とある演技コンテストの概要でした。優勝者には賞金が出るとのこと。

それを見た瞬間、なぜか「いける」と確信しました。


・・・というわけで、結果としてはそのコンテストで優勝することができ、九死に一生というと大げさですが、事なきを得たのです。

まあ、お礼に母や家族を食事に連れて行ったせいで賞金の3割くらいは消えましたが・・・。


こういう経緯で、僕自身はナーラヤーナ・カヴァチャムに効果があることを自分の身で実感しており、自信を持って人に勧めることができるようになりました。



マントラが効果を発揮したダシャー



さて、せっかくなので最後にホロスコープも少し見てみましょう。

先のAさんが転職を決めたのは土星ー太陽期 アンタルダシャー※1の太陽は10室(仕事)を支配して8室(変化)にあります。典型的な転職のコンビネーションです。

8室は同時に「秘教」「シークレット」のハウスでもあり、太陽は9室(現世で積む功徳)を支配する月とコンジャクトしています。




僕がマントラを唱えはじめ、コンテストで優勝したのはラーフー金星期でした。

アンタルダシャーの金星は7室(デビュー)を支配して11室(受賞)にあり、ニーチャバンガ・ラージャヨーガ(出世のコンビネーション)※2を形成しています。

また、金星は8室を支配する水星、9室を支配する月とコンジャクトしています。



※1 最も大きなトレンドを表すマハーダシャー(レベル1)の一つ下の区分(レベル2)。より具体的なイベント、出来事を示す。

※2 減衰(最低星位)の惑星でも特定の条件を持たすと減衰(ニーチャ)がある程度キャンセル(バンガ)され、成功運をもたらすとされる。この場合は減衰する金星が高揚する水星とタイトにコンジャクトすることでバンガの条件を満たしている。

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