太陽+木星=宮殿のような家?4室から住環境を読み解く
- blueastrologer
- 10月6日
- 読了時間: 4分
更新日:10月8日

以前ご紹介した相談者の方のご感想の中に、「家にある置物まで当てられて驚いた」という箇所があります。
これはたまたまその方のホロスコープにわかりやすい兆候があったので指摘したのですが、4ハウスにはその人の「不動産運」ならびに「住環境」が出ている場合があります。
4ハウスは「家、土地、母親」をあらわすハウスでしたね。
4室からどのように住環境を読み取るのか?
おそらく最もわかりやすいのは4室に絡んでいる惑星や星座から読み取る方法です。
たとえば、それぞれの惑星には住居においてその惑星が何をあらわすかが定められていたりします。
月であれば水場、金星であれば寝室、土星であればゴミ山。
星座においても同様で、双子座であれば歓楽地、乙女座であれば植生地など。
以上はインド占星術における古典に記された記述の一部ですが、やはり大昔に書かれただけあって、現代に生きるわれわれには「なんじゃこりゃ?」と思わざるを得ないような、奇妙な象意もあります。
上記の土星の「ゴミ山」もなかなかひどいですが(笑)、蠍座も住居においては「穴」を意味します。僕もほとんど冗談で「ゴミ山や穴に住んでる人いますか?」と生徒さんに聞くこともありますが、まあそんな人はいないですよね。
しかし、以上の記述を見て「やっぱり古典に書かれた記述は使えないな」と考えるのは早計です。もちろんこういった突飛な象意を「そのまま」当てはめることはできませんが、現代風に捉え直せば、その人の住環境を的確にあらわしている場合もあるからです。
太陽+木星=宮殿?
たとえば太陽と木星の組み合わせには「宮殿・寺院建築」という意味合いがあります。
以下のホロスコープをご覧ください。

右側のD9(ナヴァーンシャ)では、4室を太陽が支配し、木星が4室にアスペクトをしています。

住居運をあらわすD4(チャトルシャーンシャ)も見てみましょう。
4室に太陽がアスペクトし、4室を支配する金星と木星がコンジャンクト(同室)しています。
つまり、この人のホロスコープはどの角度から見ても、4室と太陽と木星が関係しているということです。こういう場合、4室に太陽と木星の特徴が色濃く反映されることになります。
では、この人は古典に記されているように「宮殿や寺院」に住んでいるのか?と言われれば、それはNoです。当たり前ですね。 しかし試しに「かなり大きな家に住まれていますか?」と聞いてみたところ、「そうですね。離れがある実家の邸宅に住んでいます。間取りはかなり大きめだと思います」という答えが返ってきました。 話を聞くと、一度東京に住んでみたことがあるものの、部屋が狭くて耐えられなかったそう。 「大きな家に住む」ということがこの人にとっては自然なことなのかもしれません。 古典の記述をそのまま使うのではなく、柔軟にそのエッセンスを取り出せば、役に立つ場合があるという一例です。
ちなみに、「本当に宮殿に住んでいた人のホロスコープ」はこちら。

2022年に逝去されたエリザベス女王です。
公的な住居は言わずと知れたバッキンガム宮殿。
4室に太陽と木星が絡んでいるか、チェックしてみてください。
では、もう一人実例を見てみましょう。
4室と「水」の要素

今度は「水」をあわらす要素に注目してみます。
月には「水場」という意味があり、蟹座・蠍座・魚座は五大元素では「水」に分類される星座です。
左側のD1では4室に月が在住しており、さらに4室の魚座は水の星座です。特に魚座には「川辺・海辺」という意味があります。
右側のD9では4室を支配する水星が6室で月とコンジャンクトしており、さらにそこは水の星座である蠍座です。

分割図では、1室(アセンダント)も重要です。必ずチェックしてください。 D4のアセンダントには月がアスペクトしています。
さらにD4の4室は水の星座である魚座です。
見ての通り、非常に4室と「水」の関わりが強いホロスコープですね。
特に魚座が強調されています。
結論からいうと、この方は「幼少期に川辺にある祖母の家で育てられた」ということでした。
いかがでしょうか?
もちろん必ずこの方たちのように綺麗に出るというわけではないのですが、4室にはその方の住環境があらわれる場合があります。
特に今回強調したいのは、古典の記述を現代に合わせて柔軟に解釈することの重要性です。
一見荒唐無稽に思えるその記述の中には、実は重要なヒントが隠されているのかもしれません。
ぜひそうした目線で古典に目を通してみてください。
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