【プラシュナ】インド占星術で見る新型コロナ騒動
今回は中級者向けの記事です。 先週から緊急事態宣言が一部都道府県で出され、人々の生活が激変していますね。 巷では新型コロナウィルスを「敵」と見なし、これを戦争に例えるような勇ましい言動が飛び交っていますが・・・果たして、この「戦い」はいつまで続くのでしょうか? というわけで、今回は久しぶりにプラシュナ・チャートでこの問題を検証してみたいと思います。復習になりますが、プラシュナとはその問題が起きた時刻・場所でホロスコープを作成し、問題の趨勢を占うというテクニックでしたね。
今回は緊急事態宣言が発令された2020年4月7日の17時43分でホロスコープを作成してみました。場所は首相官邸です。
新型コロナは「治療」できるのか?
プラシュナには、それぞれ「結婚」「仕事」「裁判」「病気」など、扱うテーマによって見方が異なります。今回は、新型コロナを日本国が患った「病気」、緊急事態宣言をそのための「治療」と見なし、病気のプラシュナとして考えてみようと思います。
「『強いホロスコープ』の条件」も加味して見ると、よりわかりやすくなるでしょう。
ホロスコープの特徴
・ラグナロード(1室の支配星)が6室(病気)に在住。パーパ・カルタリ・ヨーガ※1→BAD
・ラグナロードと8室(障害)の支配星を比べると、8室の支配星のほうが強い→BAD
・ラグナ(1室)に月が在住→プラシュナではBAD ・ケンドラハウス(1,4,7,10)に三つの凶星が在住→BAD ・ウパチャヤハウス(3.6.11)に凶星の在住なし→BAD
・4室(診断)にケートゥ(誤診・原因不明)が在住。→政策そのものが「誤った治療」である。もしくは誤診に基づいている。
・凶星(太陽)が7室に在住し、土星がアスペクト→治療(根絶することが)困難な病気である。 ・10室(患者)に凶星が在住→国民はこの政策に対し、何らかの疑義がある。もしくは非協力的である。
・ラグナに11室(立法)を支配する月が在住し、ラグナロードの水星は月とイタサーラ・ヨーガ※2→事態を鑑みて何らかの立法措置が検討されている。もしくは、この緊急事態宣言は立法の「成果」である。
・2室(財政)を支配する金星は定座で強い。しかしラグナロードの水星は金星とイシュラーフ・ヨーガ※3→頼みの綱は財政だが、暗雲が立ち込めている。
ちょっと難しいですよね。
まとめます。
つまり、この緊急事態宣言という「処置」は日本における新型コロナへの治療法としては、的外れな可能性が大きいということです。
そして、ホロスコープはこの新型コロナがひと月やふた月で根絶できるような相手ではないことを物語っています。
トランジットに見る事態の趨勢
では、この事態に何らかの光が射すのはいつなのか? 上は都知事から本格的な外出自粛要請が出されたはじめての週末、4月4日(土)のトランジット・チャートです。
注目すべきは山羊座の惑星集中。木星は減衰し、火星と土星によって傷ついています。
こちらは日本建国図。この日本国のホロスコープと4月4日のトランジットを照らし合わせると、傷ついているのは日本国のラグナロードである木星。そして傷ついている山羊座は日本国のホロスコープにとって2室に当たります。
つまり財政、経済活動が最も脅かされていることがわかります。
緊急事態宣言は5月6日まで、と公布されています。
上のトランジット・チャートはその直前、5月5日のもの。
山羊座の火星が水瓶座に抜けることで、傷つきが緩和されていることがわかります。
現在のような強力な自粛要請は一旦緩和され、経済も多少持ち直すことが予想されます。
とはいえ先のプラシュナで見た通り、これで「終結」というわけにはいかないでしょうね。
というわけで、今回は新型コロナの影響についてプラシュナで検証してみました。
より占星術的な詳しい検証は師匠の清水俊介先生がされているので、そちらもご参照ください。
個人的には、この世界における新型コロナの拡散と悲劇はグローバリゼーションの「負」の側面が強力に働いたものだと思っています。
そして何より、コロナウィルスは「戦う」べき相手なのか?
そもそも、天命を与えられ、自然の中で生かされている人間として、ウィルスとは「共存する」という選択肢しかないのではないか?
具体的には、集団免疫という考え方ですよね。
この日本では少数かもしれませんが、僕自身はそのような考え方を抱いています。
何はともあれ、早くこの切迫した事態が少しでも緩和されることを祈ります。
※1 両側のハウスに凶星が在住すること。悪性のヨーガ。
※2 ヴァルシャファラ(イスラム占星術)における良性のコンビネーション。
※3 ヴァルシャファラ(イスラム占星術)における悪性のコンビネーション。
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