なぜインド占星術は鑑定前に色々質問するのか?
Salam!
どーも。アキュバルです。
今回はインド占星術によく寄せられる疑問・質問について書いてみたいと思います。
僕は幸い直接言われたことはないのですが、多くのインド占星術師が相談者につけられるクレームのひとつが
「なんで鑑定前に色々質問されるのか?」
ということです。
聞かなくてもホロスコープ見れば当てられるんじゃないの?というわけですね。
確かに、インド占星術はその分析力と予言の精密さが売りの占術です。
しかし、その精密さは例えれば方程式のようなもの。
解が正しいかを考える前に、まず入力する数値が間違っていれば話になりません。
この場合の「数値」とはすなわち、「出生時刻」のことです。
正しい出生時刻を入力すれば、それに応じた「解」を返してくれる。
インド占星術はまさに、古代の科学が生み出したコンピュータのようなものなのです。
母子手帳は不正確?
さて、ではあなたが運よく自分の母子手帳に記載されている出生時刻を知ることができたとして、その数値を入力すればOK・・・というわけでは残念ながらありません。
母子手帳に記載されている時刻は必ずしも正確なものではないのです。
その理由としては
①時刻の記録より母子の安全が最優先
これは容易に想像できると思うのですが、助産婦さんやお医者さんが時計を持って準備していて、出産と同時に「今だ!」と記録しているわけではありません。
インドでは時計を持った記録係が二人待機しているなんていう話もありますが、さすがに日本ではそれは望めません(^^;
おそらくお産がひと段落した頃に記録を取る、という流れでしょう(ここらへんの内情は詳しくないので、知っている方いたら教えてください)。
なのでどうしても数分~十数分の誤差は生じます。
②「出生のタイミング」っていつ?
もうひとつの問題がこれ。
赤ちゃんの「誕生」ってどのタイミング?
母体から頭が出た時?呼吸をしはじめた時?それとも臍の緒を切り離した時?
実はこれは諸説あって「絶対にこれ」というタイミングがあるわけではありません。
個人的には臍の緒から離れた時が「誕生」という感覚がしっくりくるし、それが通説とされているですが、それも厳密に検証したわけではないのでわからないですね。
とにかく、やはりここでも数秒~数分の誤差が生じてしまうことがわかります。
こういう事情もあり、ラオ先生をはじめ多くのインド占星術家は本格的な鑑定に移る前に相談者に色々な質問をします。
これがいわゆる時刻修正であり、相談者の過去のエピソードから出生時刻を逆算し、本当に申告された時刻で合っているかを確認し、必要に応じて修正しているのです。
なぜそこまで数分単位にこだわるのか?
例えば次のホロスコープをご覧ください。
こちらは以前鑑定させていただいた方のホロスコープ(掲載許可を得ています)ですが、右側のナヴァーンシャ(結婚運)の下の方に「4:37:32 ~ 4:52:57」と記載されているのがわかります。
このホロスコープは出生時刻を「4:39」で作成していますが、「4:37」より前、もしくは「4:52」より後であればナヴァーンシャのアセンダントが変わってしまうことを意味しています。
つまり、わずか数分の違いで運命が大きく変わってしまうのですね。
だから本当に誠実な占星術家であれば出生時刻をちゃんと精査する、そのために鑑定前に色々質問をするということになるのです。
逆に言えば、申告された時刻でそのまま鑑定を進めてしまうインド占星術師はそのあたりに無頓着、もっといえばマガイモノである可能性が高いということになります。
というわけで、今回は意外と知られていないインド占星術の鑑定前の準備についてご紹介しました!